2006年02月16日

誰も知らない

誰も知らない.jpg誰も知らない
柳楽優弥 (2005/03/11)
バンダイビジュアル


「誰も知らない」と題された邦画のDVDを借りてきた。
とても印象的なジャケットショットの一枚である。女の子だと思っていたら実は少年。どうしてこの子はこんなに乾いた訴えるような目をしているのか?彼の髪型はなぜこんなに伸び放題なのか?何の説明も読まずに観ることにした。

さて・・・・・・・・・。ファーストシーンが列車内の手持ちカメラ?
YOUのあまりにリアルな演技にまいってシーンは引越後の二三日目で中止。夫に逃げられた弱い母親を演じているのだが、こうした女性への批判はいくら出来ても現実問題となると相当難しい。子供たちをアパートに閉じ込めた上に夜遅い帰宅というシーン、精神疾患さえ感じるわざとらしい甘ったるいしゃべりの演技があまりにリアルすぎて見ていられなくなった。

後日改めて観終えた。・・・・・・・・・。
ショッキングである。戦争を経験していなくとも、2006年の現在でも、あるいはこれからの輝かしい未来であっても、このような悲惨は起こり得るのである。「ほたるの墓」を思い出した。1000万人に一人、1億人に一人、桁違いの可能性ということはあるかもしれない。いやしかしやはり子供たちにはこのような悲惨をいつでも経験する可能性はいまだにあるのだ。

受け入れがたい現実を受け入れようとする、あの乾いた視線の少年。12歳の少年がこの5人兄弟の頭となって日常をこなす。一番末っ子の5歳の女児のかわいいワンショットが強烈だ。大人の視線から見下ろすワンショット。何とも知れない無垢な目で大人をじっと見上げる表情。このように見上げられたらもう何も言えなくなるだろう。

少年はある日この子を外に連れて行く。大好きなアポロチョコレートの空箱を大事そうに両手で持つシーン。駅の構内は忙しく人々が行き交う。高価なコートを着込んだOLが、疲れた初老のサラリーマンが、働くおばさんが、ヘッドフォンを離さない中学生が過ぎ去る。まさかこの二人がどのように悲惨な日常を送っているのか、むろん「誰も知らない」。

観客は福祉施設やアパートの良さそうな住人や、あるいは交番を思い浮かべるだろう。しかし問題は心情的に考えてもっと深刻だ。この5人の兄弟が離れ離れになることなく、そのまま受け入れられるような場所はこの社会のどこにも存在しないのである。
幼い兄弟が一緒に暮らすという権利はその父母によってのみ薄氷を踏む思いをもって守られているのである。

これは実際に起きた事件を元に製作された映画だそうである。

 
posted by musicpc at 01:02| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Movie DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

コンスタンチン

コンスタンチン.jpg まったくもって滅茶苦茶な話だが、すべてが嘘だらけというわけでもないだろうとは思うね。大天使ガブリエルと密約を交わして地獄から地上に戻り、悪魔の小物どもと戦うエクソシスト「コンスタンチン」キアヌ・リーブス演じる映画の話である。遅ればせながら今日初めて見た。

 思わず苦笑してしまうような辛らつなジョークを交えるこの映画は、とても魅力的なワンシーンがある。映画の終わる頃、大天使ガブリエルが突然現れて仰向けに倒れ込んだキアヌ・リーブスの首根っこを素足で押さえつけ、彫像のように巨大な羽根を伸ばして屹立する。美しく笑みを浮かべたセリフがまた良いなあ。「自惚れるにもほどがありますよ」とくるのだ。
 あんなショートカット金髪巻き毛の美人に…、最高の悦楽ですなあれは。このカット撮影時のキアヌ・リーブスがうらやましい(変態か私は)。

 ところでこの映画は何と、大天使ガブリエルを地上に降ろしてしまった。羽根は焼け落ち、煤だらけの濡れ鼠さながら惨めにも人間と変わり果てる。この美しくも地獄と地上の憤懣の的であった「人間」ガブリエルをコンスタンチンはどう扱うか? まあそれは映画を見てみればいいとして。

 
posted by musicpc at 13:23| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Movie DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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